恩01・恩02

路線廃止と共に撤去されたバス停ポールが横たえてあった
2015.02.25―佐々木釣堀
Photo : Murakyu
運行状況運行会社ページ開設最終改訂執筆者
廃止多摩バス→西東京バス2015/03/102015/03/10紫陽花仁

沿革

系統年月日内容
恩012006.9.1恩01「恩方車庫~上小田野~繊維団地~小津町」運行開始
恩022008.4.1恩02「繊維団地→小津町」新設
恩01・恩022008.9.1多摩バスの統合によって西東京バスの運行となる
恩01・恩022009.12.30前日の運行をもって廃止

開設まで

 八王子市の総合都市交通体系整備計画に則り、2006(平成18)年9月1日に「西部地区路線再編成」と称して、京王八王子駅より小津町・美山町・陣馬高原下へ向かう路線の再編成が行われた。このうち美山町と陣馬高原下へ向かう路線は高尾駅発着に変更されたが、小津町へ向かう路線は利用客の減少が著しく、駅への発着は取りやめて恩方車庫発着に変更された。この路線が恩01である。

 なおこの再編成により、川原宿交差点付近の医院や上小田野・小田野停留所そばのスーパーマーケット、市民センター付近へも小津町行きが顔を出すようになり、町民の生活需要を重視したものになった。

乗り継ぎ割引

 開設から廃止まで、乗り継ぎ割引が行われていた。

 これは京王八王子駅方面へ行き来する乗客に対する措置で、指定された「乗継指定停留所」でバスを乗り継ぐ場合に限り、そこで乗務員から「乗継券」を受け取ることによって今まで利用していた場合と同じ運賃が適用されるように配慮したサービスである。小津町方面および美山町方面からの乗継指定停留所は繊維団地であった。

かつてのバス停ポールには乗り継ぎ割引の案内が残っていた
2013.07.28―佐々木釣堀
Photo : Murakyu

 乗継指定停留所に降車する際には「乗車バス停から乗継指定停留所までの運賃」を、2回目の降車時には「旧来の乗車バス停から降車バス停までの運賃」から「乗継指定停留所までの運賃を差し引いた差額」を支払っていた。

 なお、バスカードを利用する際には、乗車バス停から乗継指定停留所に向かう際にカードリーダーを通し、乗継指定停留所から降車バス停まではカードリーダーは通さず、降車時に乗務員へ申し出て運賃箱での運賃差し引き設定を行っていた。

それでも止まらぬ利用者の減少

 国土交通省総合政策局交通計画課の地域交通の活性化・再生への事例集(注・現在の政策とは異なる)によれば、開設時の本数は小津町行7便・恩方車庫行9便で、2007(平成19)年8月の調査では1日の乗客数は40人(1便あたりの平均:約1.3人)であった。
 しかし1便あたりの平均乗客数を見てわかるように、駅発着をやめる再編成を行っても採算ラインには乗らず、2007(平成19)年9月1日に小津町行・恩方車庫行共に平日のみ3便と大幅に減便され、完全に地元住民密着型の運行形態となった。なお、後述する住民によるの運行経費一部負担が始まった2007(平成19)年10月の調査によれば、1日あたり20人(1便あたり3.3人)と、1便あたりの利用者数についてはほぼ倍増している。

回送車の営業化

 減便以降、恩01の小津町行きは3便とも小津町到着後に営業することなく回送されていたが、先の事例集によると、住民からこの回送を営業化して欲しいとの要望があったようだ。
 そこで、2008(平成20)年4月1日より、昼の1便だけではあるが回送車を恩02として営業化し、小津町方面のバスは1日3.5往復に増えたのであった。

運行ルート

 恩01は恩方車庫を出ると一路川原宿交差点へ向かい、同交差点を左折して陣馬街道を東進し、小田野交差点へ至る。その後、再び左折して美山街道に入ってからは、陣12時代と同様に元木・上野原・繊維団地という順で小津町へと通じていた。恩02は元々が出庫便のため、恩01とは異なり小田野地区へは寄らず、純粋に繊維団地を出庫して直接小津町へ向かっていた。

 なお、熊野宮~小津町の間は、4月~11月末日の休日を除き自由乗降区間となっていた。

 ちなみに、前述の通り恩01の小津町行きは回送で折り返すため、乗りバスを目的として小津町を行き帰りするには、必然的に恩02に乗らなければならなかった。

町営から市税投入までの流れ

 2006(平成18)年に、西東京バスから陣12を廃止する申し出があった。しかし、陣12が廃止されると、町民は峠を越えて陣馬街道の力石まで出るか、繊維団地または恩方車庫まで歩かないとバスを利用できず、交通空白地域となってしまう。
 そこで、小津町会のメンバーを中心とした「小津町地域バス等運営委員会」でこの問題が検討され、その結果、2007(平成19)年10月より暫定的に地域住民の負担で実証実験を行うことになった。

 その後、2009(平成21)年3月に制定した八王子市地域公共交通総合連携計画の「八王子市地域公共交通総合連携計画の基本方針」において、山間地域でのモデル事業としてこの問題が取り上げられている。
 具体的な内容としてはまず、2009(平成21)年4月からは正式に住民の運営委員会が事業主体となり、運行を西東京バスが行う形に変更された。また、国の法定協議会より、運行経費から運賃収入を差し引いた額の1/2が運営委員会へ補助されている。さらに、市から運行経費から運賃収入と上記補助金を差し引いた額の1/2が、運営委員会へ補助(※スクールバス目的としての加算有)され、その残高を小津町地域住民が負担することになった。

 なお、これは同計画の第1ステップ(2009(平成21)年4月~9月)であり、第2ステップ(2009(平成21年)10月~12月)は「様子を見て路線バスまたは乗用タクシーのどちらかを運行する」、第3ステップ(2010(平成22)年1月~3月)では「バス路線を廃止した上で乗用タクシーでの運転を行う」、という計画であった。つまり、本路線の未来はこの時点で決まってしまっていたのである。

廃止へ

 結局のところ、第2ステップは路線バスの運行が続けられている。
 この時期にまとめられた国土交通省の地域公共交通活性化・再生総合事業事例には、「現況と課題」として「排ガス規制により、現在運行中の小型路線バスが年内で終了」とあり、日産ディーゼル・RNでなければ路線の運行が難しかったものとみられる。

 そして、第3ステップへの移行に向け、本路線は2009(平成21)年12月29日の最終運行をもって、12月30日付で廃止となった。これにより、足掛け40年間続いた小津町へのバスの灯は完全に消え去ることとなった。

 なお2010(平成22)年1月4日からは、本路線のルートと旧バスロータリー以西を走行する「小津町会循環バス モリアオガエル号」の運行が始まった。詳細は別記することとしたい。

路線図

【凡例】
・色線……運行経路 ・黒線……旧経路
・赤マーカー……起終点停留所
【備考】
掲載内容は原則1960年代以降のものとし、運行経路(旧経路含む)・廃止停留所・旧停留所名は、判明分のみ掲載しています。また、マーカーや線は、おおよその位置に配置しています。

運行本数

※詳細な時刻をご存知の方はご一報いただけると幸いです。

平成19年4月2日現在

発停留所曜日始発終発回数備考
恩方車庫平日8:4015:457
土休日10:1017:157
小津町平日???情報募集中
土休日???情報募集中

平成21年2月頃

発停留所曜日始発終発回数備考
恩方車庫平日11:00?15:45?3恩01
土休日–:––:–0
繊維団地平日12:55–:–1恩02
土休日–:––:–0
小津町平日7:45?13:05?3恩01
土休日–:––:–0